第26回「板ガラスフォーラム」にパネリストとして参加しました。
2024-06-20
注目
6月7日に品川プリンスホテルにて第26回板ガラスフォーラムが開催されました。
*板硝子協会・全国板硝子商工協同組合連合会など8団体による主催
このフォーラムは年に一度、全国のガラス業界人が一堂に会して学ぶ場として開催されており、今年は第一部「未来世代に継承する資源循環経済への対応」、そして第二部は「板硝子業界の将来像」と題して学生さんと業界代表のトークセッションが行われました。
第一部では経済産業省や環境省などの関係省庁や清家剛(せいけつよし)東京大学教授によりサーキュラーエコノミー(循環型経済)や板ガラスリサイクルについての講演があり、今回の内容が板硝子業界の「資源循環経済」への取り組みのスタートラインとなりました。
第二部では「若者たちの仕事観とガラス業界の可能性」のテーマの中で小樽商科大学大学院商学研究科准教授の泉貴嗣(いづみよしつぐ)さん、NPO法人SETの三井俊介さん、若者代表の橋本理沙さん、そして株式会社クリアの私は業界人の一人として参加させていただきました。
(業界人のパネリストとしては主に大手ゼネコンのガラス工事を請け負う株式会社山田商店の山田圭一社長、一般消費者向けECサイトを運営して全国にガラスを販売しているOOKABE GLASSの大壁勝洋社長、そして第2部の企画を担当したのがガラス卸会社のマテックス株式会社の松本浩志社長)
硝子は建築物に無くてはならない製品ですが、消費者の方にとってその存在を知る機会は残念ながら多くありません。
また、建設業界の昔ながらの3Kのイメージもあり、この業界がこれから生き残っていくため、また次世代に繋げていくために果たして何ができるのかということは重要なテーマでもあります。
もちろん、過去パネリストの経験が一度もない私が、はたしてどんなお話ができるのか、最初にお声をかけていただいた際はこのような大役を受けることに正直躊躇しました。
しかし、女性である私が「ガラス」という男性中心の社会で生きてきたことが、たとえたった一つでも業界の皆さんのお役に立てたらと考え出演をお受けしました。
以下、私が今回のパネリストとしてお話させていただいた概要をご紹介させていただきます。
1)若者の仕事観、会社を支える人について、事業における活躍ぶりなど
・62年前に父が創業した「ガラス店」の長女として生まれ、ガラスに囲まれた環境の中で育った。
・長く実家で経理をしていたが、12年前に家業から独立するきっかけがあり、現在の株式会社クリアを主人と二人きりで立ち上げた。
創業当時はBtoB(法人向け)が8割、BtoC(消費者向け)が2割程度の比率だったが、補助金のおかげで現在BtoCの売り上げが4割を占めるほどになった。
・現在の社員は20代から30代の若手社員が半数以上を占める。
・最近ではBtoCはお客様とのやり取り、積算、発注、現場のスケジュール管理などの業務はすべて女性が行うなど役割分担をしている。
・会社のベースとしてのBtoB(法人向け)。お客様の喜ぶ笑顔で元気になれるBtoC(消費者向け)。
・現場では、若手社員がそれぞれの仕事にやりがいを感じ、社内ではBtoCの受注から完了するまでの流れを女性が担うという新しい仕組みが自然と出来上がった。
・これこそ、SDGsの精神ではないが、2つのコンテンツをもつことで「持続可能」な働き方ができる組織が構築できたのではないかと思っている。
・どんな仕事なのかより誰と仕事をしたいかという新しい時代の仕事観を持つ若者や女性にとって、いかに社内でフラットにコミュニケーションが取れるかという点が非常に重要な点ではないかと感じることが多くある。
・否応なく迫る世代交代の時期をどう迎えるかまだまだ模索の日々だが、その答えは経営者自身の頭脳だけではなく若手社員や女性社員の声、さらにはBtoCのお客様の声から生まれてくるのかもしれないと思う。
・ゼネコンも消費者も大切なお客様。
仕事に「面白さ」を感じるこの二刀流こそ、今のわが社にはぴったりだと思っている。
2)生活者に頼られる地域の窓屋さんのエピソードなど
・今となっては弊社での売り上げの実に40%を占めるBtoCだが、その布石は実は22年前のある製品に出会ったこと。
・それは、皆様ご存じの「真空ガラススペーシア」
・当時、こんなに値段の高いガラスが一般消費者に買ってもらえるのか半信半疑だった。
ところが、集金のたびに粘り強くこのガラスの素晴らしさを語る問屋さんの社長に心打たれた。
この時、ゼネコンには営業に行くことはできなくても、一般消費者だったら女性の私でもできるかもしれないと思ったことがすべての始まりだった。
・まず、最初のお客様は八ヶ岳南麓に田舎暮らしで移住してきた方々。
その当時、ほとんどの別荘が夏仕様の建物で単板硝子が使われ、移住してきた方々が北海道並みの寒さに悩んでいた。
ところが、「真空ガラス・スペーシア」の交換工事を終えると、ほとんどのお客様が喜んでくれたことが私がBtoC事業を続けていく原動力になっていった。
ところが、「真空ガラス・スペーシア」の交換工事を終えると、ほとんどのお客様が喜んでくれたことが私がBtoC事業を続けていく原動力になっていった。
ちなみに板硝子協会のエコガラスのHPではこのようなスペーシアを採用した弊社の施工例が5件ほどUPされている
・また、15年ほど前からマテックス株式会社(弊社の窓製品の卸会社)が主催する「窓リフォーム勉強会」に積極的に参加。
今までのガラス屋のイメージが吹き飛ぶような「熱貫流率」や「国の減税制度」などの言葉に心ひかれ、とにかく「窓の断熱化」に夢中になるきっかけになった。
・最近では専門性の高い情報をHPから発信したり、補助金提案に力を入れることで、マニアックで勉強熱心なお客様からのお問合せが増えた。
・今後はより専門性を磨き、質の高い提案や精度の高い施工力で自社のブランド力をつけていきたい。
・そのためには社内のチームワークが必要なことは言うまでもなく、卸会社や協力会社との「連携」をしながら「三方よし」の精神でこれからも地域社会に貢献していきたい。
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◆ 一般社団法人 ロングライフラボについて
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