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二階さちえの「窓のコラム」

「窓」とは?二階さんならではの視点でさまざまなジャンルから「窓」を語ります。

二階さちえ(ふたはしさちえ)プロフィール
記者・編集者。(同)青空編集事務所代表。住宅・建築・まちづくりをテーマにウェブサイトや雑誌、書籍向け企画取材執筆・編集を行う。板硝子協会エコガラスHP取材記者、千葉市まちづくり冊子『やさしい流れに会いにゆく』取材執筆・編集・デザイン、神奈川大学建築学科発行誌『RAKU』特集ページ編集統括。近著に『世界5000年の名建築』『東京老舗の名建築』(共にエクスナレッジ刊)、『中銀カプセルスタイル』(草思社刊)取材執筆。千葉大学大学院修士課程修了、工学修士

二階さん取材記事⇒エコガラス事例紹介

宇宙エネルギーがやってくる? 我が家の窓でお気軽風水

2025-02-21
カテゴリ:窓
家づくりやお部屋の模様替えを考えるとき、”風水”や方位”が気になる方もおられるかもしれません。今回は風水と住まい、とくに窓との関係のお話です。
 
 風水は古代中国で生まれて現代まで受け継がれる思想。占いなどと同一視されることも多く、ご利益や魔除け? 的なものと見られがちですが、もとは宇宙の起源への探究から始まっており、物理や数学の視点も含んでいます。
 
 すべての基本はエネルギーの流れ”で、これは気”と言い換えることもできます。常に私たちのまわりにあり、勢いよく進んだりゆるやかに渦巻いたりしているというのです。
 うねって流れるこのエネルギーを暮らしや仕事に活かして、より良い人生にしましょう! ざっくりいうと、風水とはこんなスタンス。
 
 バランスと調和”も重視されます。強すぎず弱すぎず、おだやかな流れこそがベストで、この状態をしつらえるさまざまな知恵が伝えられてきました。
 風水師とはそんな知恵や工夫、技術を自在にあやつる人々です。陰陽や方位、八卦(はっけ)といった多くの複雑な要素も含む本格的な風水では、彼らの力が欠かせません。
 
 その一方で、家具の配置など室内を少し変えてエネルギーの流れを整える、手軽なおうち風水”のような試みもあります。
 
 ここでは心身の健康や仕事など、私たちの日常に良く作用してくれそうな、おうちの窓の風水を、ほんの少しだけご紹介します。
 いつもと違う目で住まいを観察し、軽い実験のような感覚でやってみる。いい感じなら成功、ちょっと違うかなと思ったら元に戻せばOK。絶対的な正解も間違いもないのが、風水のいいところでもあります。
窓はおうち風水の大きなポイントのひとつ。なぜなら、エネルギーは「窓やドアなどの開口部から室内を出入りして流れていく」といわれているからです。
 この流れをおだやかに浴びて受け取れる室内”が、良いおうち風水の基本と考えられます。
 
 開口部の配置や数によって、エネルギーは流れ方を変えます。
 窓とドアが正対していれば、強くまっすぐ流れるといわれます。けれどそれぞれの位置がずれていたり、数が違ったりといったさまざまな条件によって、曲がったりうねったり渦を巻いたりと、その姿を変化させて室内を通っていくのです。
 
 この部屋はどうかな? 流れを読みときながら、家具の位置を少しだけ移動させたり、インテリアにちょっと新味を加えてみるのが、おうち風水の楽しいところ。
 
 例えば窓とドアがふたつずつあるリビングで、家族がよく座っているソファは、どこにあるとよいのでしょうか。
 
 通常、良いと考えられるのはAです。
 
 左のドアから入るエネルギーは、うねりながら室内を流れて2枚の窓と右のドアから出ていきます。ソファはドアからも窓からも少しずれているのでおだやかに流れを受け取れそう。エネルギーのパワーを弱めるとされる観葉植物も効いています。
 
 一方Bではドアの正面にソファがあり、入ってくるエネルギーの束に直接さらされるので、少しパワーが強すぎるかもしれません。
 Cはソファの背後に窓があり、出て行こうとする強めのエネルギーが当たりやすそうです。
 
 でも、うちのリビングにはテーブルもほかの椅子もキャビネットもあるから、家具はそう簡単に動かせないんだけど… そんな状況もきっとありますよね。
 大丈夫、家具にさわらずに流れを変えるアイテムもあります。
 ドアとソファの間にパーティションやついたてを置くことで、エネルギーの流れは変えられるとされています。またAにも見られるように観葉植物はエネルギーのパワーをおだやかにするといわれ、B-2ではこの手法を取り入れました。
 
 また、C-2のように窓にカーテンをひけば、エネルギーが出入り口として見なさなくなり、右手のドアと窓をめざして流れていきます。
 
 寝室の風水も考えてみましょう。
 大切なのはベッドの配置です。ここではAがもっともおだやかにエネルギーを受け取れそう。
  
 また、エネルギーの流れのほかに寝室で大切なのがベッドとドアの関係で、「横になったとき出入口が死角にならないこと」が安心・安全に眠るために不可欠とされています。 
その観点で、Bを見てみましょう。
 このベッドの配置では、寝ているときにもしも誰かがドアを開けても、その人が完全に室内に入るまで何者なのかわかりません。確かにちょっとこわい気もしますね。
 
 
 さらにCのように、ドアを開けた瞬間丸見えになるベッドは、エネルギー・安心安全両面でNG。
 改善には、例えば就寝時に窓にカーテンをひくほか、ドアとベッドの間にパーティションを置いてみてもいいかもしれません。
 風水を試したら、その後の数週間で暮らしの中にどんな出来事や変化があるか注意するのがよい、といわれます。
 
 人間関係が改善されたり、なんとなく体調が良いなど嬉しいことが増えれば、もしかするとそれは風水の恩恵かもしれません。
 反対に仕事で思わぬ失敗をしたり、いつもより少し辛い出来事があったなら、家具を元に戻せばよいし、気が向いたら別のしつらえを試してみても。
 当然ながら、気にしすぎる必要はありません。
 
 住まいに限らず、普段と違った目線で何かを見ると、そこには必ず新しい発見があります。
 いつも光や風を取り込んでくれる我が家の窓が、実は目に見えない宇宙エネルギーの出入り口になっていて、日々の暮らしにひそかに関わっていたりして…?
 こんな、少し不思議でファンタジックなワクワク感こそ、おうちの窓風水の醍醐味ではないでしょうか。
 
 
参考文献:
ラム・カム・チュアン『風水 原理を生かす』産調出版
リリアン・トゥー『図説 風水大全』東洋書林
リチャード・クレイトモア『風水 気と古代風景学の秘密』創元社
 

なぜ透明で壊れやすいの? 秘密はガラスの“でき方”にあり

2024-11-20
カテゴリ:窓
   室内を気持ちよく過ごすために、窓は欠かせない存在です。
 風や光の取り込みはもちろん、まわりの風景や丹精した庭、ご近所の街並みを窓越しに目にできることは、住まいの豊かさを左右する要素でしょう。そして、ガラスが透明だからこそ成り立つことでもあります。
 
 “透明”は多くの建材の中でもアクリルなど一部を除いてガラスだけが持っている特長です。…それにしてもなぜ、ガラスだけが透明なのでしょうか?
 
 一般的な窓ガラスの原料で、とくに割合が多いのが“二酸化ケイ素”です。身近な例では透き通った鉱物の代表選手・石英(せきえい)として知られ、これを細かい砂状にして石灰などを加え、熱でドロドロに溶かしてガラスへと成型するのです。
 
 石英の持つ透明さ=ガラスの透明さといえます。が、実はほかにもうひとつ理由が。
 
それはガラスが、固体ではなく液体だからです。
 
ええっどういうこと?! ガラスって固いよね! おっしゃるとおり。正確には「物質としての構造が液体」なのです。
 
 物がどのようにできあがっているか、分子レベルまでさかのぼった“組成構造”から見てみましょう。金属でも木材でも、多くはそれぞれの分子が規則正しく組み合わさって、網目のような構造になっています。
 
 ところがガラスはこの網目が不規則なのです。原料に熱を加えて溶かした状態から冷やしていけば、固まってはくるのですが、水が凍るときのように融点以下まで冷やしても最後まで規則正しい網目になりません。
 
 こんな感じで分子が不安定な組成のまま固まったものは『非晶質固体(アモルファス)』と呼ばれます。
 
 この“カッチリ組み合わさっていない”ところが、透明さの秘密。
 
 分子が結晶して緻密に並んでいる物質に光が差すと、しっかり組まれた表面に跳ね返されます。光が届かないと物は見えないので、視線が通らないのです。木材の柱やコンクリートの壁はこんな状態です。
 
 一方ガラスは、結晶せずに分子がゆるーくつながっているから光が通り抜けやすい。こうして私たちの目には、窓のガラスを通して向こう側がよく見えるのです。
 
こんなに違う! ガラスと他の物質の組成
ガラスのマウスパッドの小口も緑色
 カッチリしてなくて透明…この状態は、ほかにも独特の性質をガラスに与えています。
 
 色がつけやすいのもそのひとつ。
 
 色は、光が物質に当たったときに反射された波長が、私たちに見せるものです。
 カラフルな絵が壁にかかっていても、部屋の中が真っ暗では何も見えませんね。色を見る=光の波長を見ているといってもいいでしょう。この“反射する色”は物質ごとに違っています。
 
ガラスはもともと透明で光を通しやすく無色が基本なので、不純物が混じるとそれが反射する波長の色がよく見えます。
 ガラス板やガラス棒の小口が緑色を帯びているのをよく見かけますね。これは主原料の二酸化ケイ素の中にたいてい混じっている“鉄”の成分が反射している光の波長です。
 
この性質を使えば、つけたい色を反射してくれる不純物だけガラスに加え、それ以外を取り除けば思った通りの色つきガラスがつくれます。
ガラスの組成構造がゆるいのもここでは有利。他の物質と比べて、より簡単にいろいろな不純物を入れ込みやすいのです。
さまざまな金属材料が不純物としてはたらき、色ガラスをつくりだす


透明さのほかにガラスの特質といえば、やはり壊れやすいことでしょう。
 同じ力で投げた同じボールがぶつかるとき、木造やコンクリートの壁ならびくともしないかもしれませんが、窓ガラスはそうはいきません。相当の厚みがあっても、ヒビくらいは入ってしまうでしょう。
 
 この“脆さ”は、ガラスの割れ方・壊れるときの性質に原因があります。
 
 アルミなどの金属とガラスを同じ大きさ・厚みの板にして、上から押して力を加える実験をしてみます。
 ガラスも金属も徐々にしなっていき、ある瞬間にガラスは割れます。一方、金属はしなり続け、力を加え終わった後は元に戻らず曲がったままの形になります。
 
 この性質を、ガラスは脆性(ぜいせい)、金属の方は延性(えんせい)と呼びます。
 
 ガラスには延性がないので、力がかかると「金属みたいにちょっと延びてやり過ごそう」という対策を取れません。だから限界がくると一気に割れてしまうのです。
 とくに“引っ張られる力”に弱く、強く押されたり物がぶつかった面よりも、その反対側がまず壊れます。
ガラスはこうして割れ、壊れる
商業ビルの色ガラスがまちを彩る
こうなると金属はなんとなく「もっている」感じがしますよね。形が変わって元通りになれない状態を『降伏』といいますが、ガラスのように粉々にならないので強い印象を与えるのです。
 
 なんとも分が悪いガラス。それでもなんとか強くして使いたい!  と、昔から多くの人が考えさまざまな工夫がこらされてきました。
 耐熱ガラス食器やコーヒーサーバーなどは代表選手のひとつですが、窓ガラス部門では学校の校舎や車のフロントガラスに使われている“強化ガラス”が思いつきます。
 
 強化ガラスの製造では、溶けたガラスを板状に成型するときに冷たい空気を両面に吹き付け、すばやく冷やします。
 ここで表面だけが一気に固まって縮み、“押される力”に対抗する力がつくられますが、内側は冷やし切らずに少し柔らかさを残すので“引っ張られる力”に対抗する力の方を多めに持ち続けたまま。
 こうして表面と中身の相反する力を組み合わせて全体のバランスを取り、通常のガラスと比べて3倍から5倍もの強度に上げたものが、強化ガラスというわけです。
 
 
 一見、他の材料よりもか弱く見えるけれど、その脆さあってこその透明な輝きや美しさを持つ…ガラスは独特な物質です。
 紀元前の昔から現代まで人間はその存在に魅了され続け、装飾品や食器、教会のステンドグラス、そして住まいや建物の窓と、知恵を絞り技術を開発して、あらゆる場面で使ってきたのですね。(了)
 



参考文献
黒川高明『ガラスの技術史』アグネ技術センター
山根正之『はじめてガラスを作る人のために』内田老鶴圃
前田敬『ガラス 進化し続ける身近な素材』東京理科大学科学フォーラム2023
木下純『ガラスの豆知識』AGCガラスプラザウェブサイト ほか

熱い日差しは窓の外でシャットアウト! “外部遮蔽”で住まいを涼しく

2024-08-07
カテゴリ:窓
酷暑が続く今年の夏。天気がよくても日中は出歩かず、なるべく家の中で暑さをやり過ごす時間が多いのではないでしょうか。
 今回のコラムは少し趣向を変え、窓で暑さに対抗する実用的な知恵をご紹介しましょう。エアコンの上手な使用に加え、窓の外での効果的な日射遮蔽”が、住まいの省エネと快適さに直結します。





窓リフォームはすぐにはできない ならば日差しを遮ろう


断熱性能を高めたLow-Eガラス(エコガラス)でリフォームし、窓そのものの遮熱力を上げるのは、今や涼しい家と省エネを実現する王道のひとつとなりました。
 
 でも「すぐにリフォームは難しい、とりあえず目の前の暑さをなんとかしないと」 と、カーテンを引いたりホームセンターに走ってシェードやブラインドを手に入れる…そんな対処が、現実には多いのではないでしょうか。
 
 家を暑くする元凶である太陽からの日射熱は、その約7割が窓ガラスを通って室内に入ってきます。エアコンをかけていても窓に日が当たると暑いのはそのせいで、窓辺で熱をしっかり遮ることが涼しさアップには効果的なのです。
 
 ここでは窓そのものはいじらない、手軽・ローコスト・効果あり、の日射遮蔽術を紹介していきます。当然ながらエコガラス窓と組み合わせれば、効果はより一層上がります。

窓の内側と外側、どちらで遮蔽する?


窓辺で日差しを遮るツールは、大きく2種類に分かれます。スダレのように屋外につける方を外付け組”、ブラインドなど室内で使う内付け組”とすると、結論からいうと効果の上では外付け組”に軍配が上がります。
 なぜでしょうか?
 
 ポイントは窓自体を熱くしないこと”です。
 
 じかに日差しが当たるとモノは温度が上がり、蓄熱して周囲にその熱を放射します。輻射(ふくしゃ)熱とも呼ばれる現象です。
 内付け組の場合、まず窓ガラスが直射日光日射にさらされて熱くなり、蓄熱します。その輻射熱が今度はカーテンやブラインドに伝わって蓄熱。さらにその輻射熱が部屋の中へ広がる…という塩梅です。
 
 何もしないよりもちろんいいのですが、建物の内と外の境になっているガラス自体が熱くなれば、こんな仕組みで内部は暑くなっていきます。
 
 これを解決するのが外付け組=外部遮蔽です。やってくる日射を家の外で受けとめてブロックし、窓ガラスの温度を上げないバリヤーとして働いてくれます。
 スダレや緑のカーテン、おしゃれなオーニングなど、外付け組にはさまざまなアイテムがあります。それぞれの持っている特徴を見てみましょう。
 
 
外付け組=外部遮蔽は緑のカーテンがベスト 


①オーニング
 昨今、ベランダにオーニングやシェードをつけている住宅が増えました。「洋風の家だからスダレはちょっと…」との住まい手の思いもうかがえるよう。
 
 オーニングは豊富なデザインに加え、UVカットなど機能性を高めたものもあり、留め付け方もいろいろで自宅に合わせて選べます。しゃれた屋外空間の演出にも重宝する存在です。
 
 気をつけたいのは、まず蓄熱性。最初に直射日光を受けるのでやはり温度は上がり、輻射熱は窓に至るまでの空間に伝わります。デッキやベランダは窓ガラス~室内までのバッファゾーンと考えてよいかもしれません。
 
 カラーリングで効果が異なる面もあります。こげ茶など濃い色の方がしっかり遮熱してくれますが、室内は暗めになるので、選ぶ際には他の窓や照明など採光面の要素も考え合わせて。
 
②スダレ・ヨシズ
 夏のホームセンター入口に必ず並ぶ、昔ながらの実力派。ヨシや竹など中に空洞のある自然素材の利用が、その効果を担っています。
 
 オーニング同様に直接日射を受けて蓄熱もしますが、空洞の中にある空気が断熱材として働き、裏側の温度は表より低くなります。窓ガラスに伝わる輻射熱も、ここで低減されるのです。
 
 主な材料であるヨシが水生植物であることも強みのひとつ。水をかけても問題ないので、濡らしてやれば気化熱で冷えて蓄熱が減らせます。昔の人の知恵恐るべし、といったところでしょうか。
   
 一方、デザイン的にやはり和風味の強さ? が、現代住宅に取り入れるにはハードルになるかもしれません。風にあおられたり劣化などで、他に比べてこわれやすい点もあります。
 
③緑のカーテン
 学者も認める、現代の外部遮蔽の雄です。
 ゴーヤやアサガオなどつる性の植物を窓辺で育ててネットに誘引し、重なり合う葉で窓への直射日光を遮る、見た目にも涼しい工夫です。
 
 日本大学生物資源科学部が行った、窓ガラスへの直射日光をどれだけ遮れるかをヨシズ・寒冷紗(かんれいしゃ)*と比較した実験があります。ここでもゴーヤを使った緑のカーテンがトップの成績をおさめた結果が出ました。
 
 違いは生きている葉っぱ”にあります。
 
 植物には主に葉の裏に気孔と呼ばれる穴があり、そこから水分を蒸発させて自らの体を冷やしながら、土壌から水を吸い上げる性質があります。
 蒸散”と呼ばれるこの現象によって、強い日射が当たっても葉っぱは蓄熱せず、オーニングのように極端に熱くなりません。周囲に輻射熱を振りまかず、ひたすら日差しだけを遮り続けてくれるのです。
 
 この現象は、公園や街なかでも体験できます。庇や建物の陰よりも公園の木々や街路樹がつくる木陰の方がなんとなく涼しい、と感じたことはありませんか? それは決して気分的なものだけではないのです。
 
 泣きどころは、やはりある程度の時間と手間がかかること。種をまいて一週間後には豊かな葉陰…とはいきません。
 初夏に苗を植え、水をやり、実がなることも期待して、楽しみながら育てていきたいものです。
 
 
それぞれ一長一短ある外部遮蔽ですが、窓の外側で工夫して直射日光を当てないという基本は同じ。
 ご自宅の事情に合わせ、窓辺に合わせて新たな庭木を選びにいくのもよし、家族みんなで独自の遮蔽ツールを考えてDIYでつくってみるのも、夏休みの思い出となるかもしれません。(了)




*寒冷紗:化学繊維や麻などで荒く織られた布で、農作物を覆うことで強い日差しを遮ったり、冬の保温や霜よけなどに利用する。近年では住宅のベランダや庭で、日よけ用に張られることも増えてきた。

ガラスと光で心豊かに 意外と身近なステンドグラス

2023-12-14
カテゴリ:窓
 天の光を教会の内へ… ステンドグラスのはじまり


クリスマスが近づくこの時期、街はイルミネーションも増えてはなやいだ雰囲気に。色とりどりの光は人の心を惹きつけ、ワクワクさせる効果があるようです。
 
 色と光が美しく競演している窓もあります。そう、ステンドグラス。
 6世紀から8世紀頃、色をつけたガラスを鉛の枠線にはめ込み、組み合わせて成形した開口がそのルーツといわれています(諸説あり)。
 
 その後、紋様・人物・物語・風景などを描き出す“絵画のような窓”として作られはじめたのは、中世ヨーロッパの修道院や教会堂においてでした。
 
 当時の教会建築は、重いアーチ天井を太い石の柱や厚い壁で支えるどっしりとしたつくりが中心。構造上の弱点となる窓は必要最低限に小さく穿たれ、人々はわずかに差し込む光の下でつつましく祈っていたのです。
 
 貴重な自然光を可能な限り内部に取り込み、同時に信仰のよりどころとなる劇的体験の源にできたら… そんな宗教者たちの思いこそがステンドグラスを誕生させたのかもしれません。
 
 ひとつの完成形にのぼりつめたのは13世紀ゴシック時代、フランスやイギリスなどヨーロッパ諸国で次々に建設される大聖堂を飾るため、多くのガラス職人が自らの意匠や技術を高めて製作に励みました。
 ゴシック教会のステンドグラスと聞いてわたしたちが通常イメージする、床から天井まで伸び上がって林立する細長い窓や、薔薇窓とも呼ばれる巨大な円形のステンドグラスのスタイルは、この時代に確立し隆盛を極めたのです。
 
 ここには、建築技術の進化が大きな要因として作用しています。
 
 それまで一般的だった半円型天井が、先の尖った“尖頭(せんとう)アーチ”でつくることで軽くなり、ぶ厚い壁や太い柱が不要になりました。
 窓は大きく取れるようになり、高くそびえて極彩色に輝くステンドグラスは見る者に神の国=天への憧れや宇宙さえもイメージさせます。室内はドラマチックな光にあふれ、教会全体が非日常の神聖な空間へと昇華していったのでした。
 
 
個人の住まいにも取り入れられるようになった
その後のバロック時代から近世を経て現代まで、一時衰退の危機があったものの、ステンドグラスはその技法や絵柄を変化・進化させながら今や日本の住宅や公共施設、まちなかでも見かけるようになりました。
 
鮮やかな色ガラスの芸術は宗教を超え、社会全体に彩りを与える存在となったのです。
 
明るく楽しくお買い物! アーケード街のステンドグラス


伝統的なステンドグラスでは人物や紋様のほか、聖書の一場面などもモチーフとして多く取り上げられてきました。かつては字が読めない人々に聖書の内容を伝える“紙芝居”的役割を担っていたこともあります。
 
 しかし一般的な絵画とは違う点もあります。光が表現に大きな影響を与えるのです。
 
 晴天か曇りか、雨でも見え方は変わり、白っぽいガラスの周囲では他のガラスの色が鈍ったり、隣り合うガラスの色が光によって混ぜ合わされ別の色合いが生まれることもあります。
 ガラスという稀有な素材の面目躍如であるとともに、降りそそぐ太陽光の恵みで明るさを享受し、外界を感じてつながる窓の機能性がそこに並列しているのも、興味深いところでしょう。
 
 都心の商店街でそんなステンドグラスに出会いました。 
銀柳街のエントランスを飾る本格的なステンドグラスアーチ
教会の身廊のような天窓群
銀柳街(ぎんりゅうがい)は川崎駅の目の前を走る長さ約250mのアーケード街です。
「花とステンドグラスのある街」と書かれ、大きなステンドグラスで飾られたアーチをくぐると、天井には天窓がずらり。頭上に突然広がる(商店街自体はいたって普通)ヨーロッパの教会? 風の雰囲気に驚きました。
ピカソのゲルニカを彷彿させる作品も
採光を考慮してか多くは唐草模様の枠と透明ガラスの天窓ですが、ところどころに花をモチーフにしたカラフルなステンドグラスも。中央にはシンボリックな大型の作品が配置されています。
 
 戦前から現在まで、銀柳街は川崎を代表する商店街として人々の暮らしを支えてきました。1960年代にアーケード化され、78年の改装時にはさらに明るさと楽しさを加えようと、強化プラスチック製ステンドグラスの天窓がつけられたといいます。
 さらに90年代にはまちづくりの一環としてさらに魅力を高めるべく、天窓を本物のガラスへと入れ替え、作家による本格的なステンドグラス作品の採用に踏み切ったのです。

昼間は照明不要の天窓つきアーケードは省エネ面でもすぐれている
雨の多いこの国で、天候に関係なく買い物が楽しめるアーケード街は確かにありがたい存在でしょう。けれど頭上を覆うその天井を見上げた時、日差しを通して色鮮やかに輝くステンドグラスが並んでいたとしたら… 小さな窓しかなかった中世の教会とは違えど、多くの人が心楽しく、豊かな気分になるのではないでしょうか。
 
 最新のLED照明ではなしえない何かが、そこには確かにありそうです。
 
大きなランプからイヤリングまで、仕事机に並ぶ小林さんの作品
窓以外にもステンドグラスの活躍の場があります。それは“あかり”の世界。
 
 揺らぎが心を癒す ステンドグラスランプのぬくもり

『ティファニーランプ』をご存知の方も多いでしょう。トンボや植物などアール・ヌーヴォーのモチーフを繊細に表現し、一世を風靡したステンドグラスランプの別名です。
 かのラグジュアリーブランド・ティファニー創始者の子息であり、ガラス工芸家のルイス・コンフォート・ティファニーが最初に作ったことで、この呼び名がつきました。
 
 太陽光と電球の違いはあれ、光の透過を前提に銅線の枠にはめこんだ色ガラスで輝きをデザインしていく点は窓と共通しています。
 ランプを中心にトレーやアクセサリー、花瓶、什器なども手がけるステンドグラス作家・小林亜希子さんに、ステンドグラスの魅力やその理由についてうかがいました。
少しだけティファニー風? を思わせつつ、昭和レトロガラス&モノトーンを生かしたオリジナルデザインランプ
「ステンドグラスには“色の相乗効果”があるのではと思っています。隣り合う色がパッチワークのようにそれぞれ違い、相互に影響し合っている。光源や背景、季節や見るシーンも関わってきます。そこに“揺らぎ”が生まれ、見る人は癒されるのではないでしょうか」
「たとえば緑の中を歩くとき、光の当たり方によっていろいろな色に見えますね。それと同じようなものかもしれません」
 
 隣り合うガラスの色を光が混ぜ合わせ、違った色彩が見えてくる…教会のステンドグラスと同じことがランプでも起こるというのです。ステンドグラスのひとつの本質に触れた気がしました。
 大聖堂で見上げるバラ窓と自室で静かに見つめるあかり。どちらも人の心に沁みとおり、安らぎや純粋な想いへと導く不思議な力を秘めているようです。
 
 
昭和レトロガラスのペンダントランプが柔らかな光に輝く。手前は『ツバメ』、奥は『ダイヤ』の昭和レトロガラスを使用
ここ数年、小林さんは色ガラスではなく『昭和レトロガラス』を再利用した透明ステンドグラス作品をより多く製作しているといいます。
 昭和レトロガラスとは高度成長期に日本中の窓を飾ったデザインガラス群の愛称。植物や星空、幾何学模様、まちの風景に至るまで多彩なモチーフが特徴で、独特の温かみがあり「おばあちゃんちで見たことがある」的なつかしさとレトロ感で静かなブームが続いています。
 
 小林さんのもとには、解体される家の窓からレスキューされたガラスが持ち込まれたり、SNSで作品を見た人から依頼されて引き取りに行ったりと、全国から昭和レトロガラスが集まります。そのどれもに「思い出がある」と小林さん。
 
 「(我が家の解体時に)本来なら捨てられてしまうものをもらってくれてありがとう、と涙ながらに話してくださる方もいます。通常のステンドグラス用色ガラスには、ないことですよね」
 
 時間を経たものが持つ骨董品にも似た魅力を生かしたい。そんな想いを込めた小林さんの作品は、オリジナルの昭和レトロガラスの味わいそのままにモノトーンで構成されています。
 色ガラスよりおとなしい印象ですが、光を通すと見知らぬ誰かの思い出が香るように、ふわりと柔らかなぬくもりがひろがりました。単なるリユースを超え、新たな価値がここでは生み出されています。



 
固く透き通った素材でありながら、さまざまな色をまとって組み合わさったり、なつかしいデザインをもっていたり、そんなガラスたちが光を通して人の心を暖める存在になる。教会に足を運ばずとも、案外身近なところにステンドグラスはあります。冬のひと日、木枯らしの合間を縫って探しにいってみませんか。


取材協力:stained glass moineau 小林亜希子

思い出の窓が帰ってきた 令和によみがえる昭和レトロガラス

2022-12-10
カテゴリ:窓
1973年に発売され比較的新しく、今ももっとも多く残る昭和の型板ガラス『よぞら』
 「ああなつかしい」「何これ、可愛い!」…模様入りのガラスを目にしたあなたの反応は、さてどちらでしょう? 
 1950年代から70年代にかけて製造されたこんな窓ガラスが、ここ数年『昭和レトロガラス』と呼ばれて静かなブームになっています。
 
 視線を通さず、外の光を室内に拡散するガラスの名は『型板(かたいた)ガラス』。浴室やトイレ、玄関などでの使用を前提に今も使われています。現代のそれにハッキリした模様はなく、表情は実用本位です。
 
 けれど今回の主役は、高度経済成長期に住まいの窓を彩ったデザインテイストあふれる方。国内での製造はすでに終わり、いまや希少な存在となりました。
『みどり』は小さな葉っぱがモチーフ。おとなしいデザインが使いやすいと人気を集めた。
その歴史は明治・大正期までさかのぼります。当時も目線を通さず光を拡散するガラスとして『すりガラス』や装飾性を高めた『結霜(けっそう)ガラス』が既に存在していました。
 しかし結霜ガラスは、一度完成した透明なガラスに膠(にかわ)を塗り、あとで剥がして表面を荒らすという手間がかかるもの。わざわざ傷をつけるので強度も低い、繊細で高価なガラスだったのです。  
 
 一方で、外から見られたくはないけれどあかり取りはほしいとの願いは、照明器具が発達していない明治・大正そして戦前の昭和の家で切実なものでした。窓のある部屋とない部屋の境にガラス建具を入れて隣室まで光を導く工夫もされていたといいます。
 
 このような時代の要請を受け、型板ガラスは生まれました。
 
 当初は縞や格子など比較的細かい数種類の模様を持つ輸入品がほとんどでしたが、昭和に入って新しい板ガラスの製造法が国内に導入されます。窯で熱せられたガラス素材を生産ライン上で移動させる工程で2本のロールの間を通し圧延するもので、透明な板ガラスを効率的に作れるようになりました。
 このロールの片方に彫刻をほどこしておくと、まだ柔らかい素材が通る際にその模様が型押しされ、型板ガラスが作れるのです。結霜ガラスと同様の機能を持ちながら膠の塗り剥がしが不要で強度が高く、手間もかからない。さらにローコストとくれば、普及しないわけがありません。
 
 2部屋の間に入れても目線が通らず独立性を保つことができ、拡散する光で室内は明るく、さらに関東大震災後は貸家建築やガラス建具が増えたことで、その需要に拍車がかかりました。
製造工程イラスト
1964年発売の『いしがき』はぐんと大ぶりなデザイン
しかし真の型板ガラス黄金時代は、第二次大戦後に訪れた高度経済成長期に訪れます。
 
 戦争で焼け野原となり深刻な住宅不足に陥った日本を復興すべく、政府は大々的な『持ち家政策』を打ち出しました。国じゅうに“夢のマイホーム”が林立し始め、型板ガラスはその一翼を担う存在となったのです。
 
 細かめだった模様は、窓の大型化に合わせるようにリアルで大きな柄へと変化し、種類も増えていきます。テレビコマーシャルの影響もあり、我が家を建てる人々の夢と重なって爆発的なニーズが起こりました。
建具サンプルの中央に見えるのは、インパクト大の『ハイウェイ』。登場は1967年以降とされ、中央自動車道開通の時期とも重なる。首都高速や東名はすでに稼働し初のオリンピック開催を前に沸き立っていた日本のエネルギーを感じさせる
戦後の混乱からようやく立ち直り、生産ラインへの投資を再開し始めていたガラスメーカーにとっても、透明ガラスと比べて少々泡や筋が入っても目立たない型板ガラスの人気は歓迎されるものだったかもしれません。
 新柄が次々発表され、製造元のガラス3社による熾烈な販売競争は『型模様戦争』の名で業界史に残るエポックとなりました。1960年代から70年代頃です。
四角錐を連続させた地紋の上に、切子技法ならではの鋭い線で抽象的な模様を描き、カットグラスの光を表した『からたち』。クリスタルガラスの専門会社として昭和初期から続く各務クリスタル製作所(現カガミクリスタル株式会社)がデザインを手がけた
こうなると単なる量産フィーバーにも見えますが、決してそれだけではありません。
 和風洋風の住宅のほか、日本料理店の内外装までカバーしたこのデザインガラスには、最新かつ高度な製造技術や、伝統的な切子の技法も取り入れられていたのです。
 
 微細な線をハッチングすることで光の当たる方向によって表情を変えたり、洋風地紋の上に鋭い線で描いた模様を置いてカットグラスのような表現をしたり。工芸品としてのガラスの美しさを追求する面もあったのです。数十年後に『昭和レトロガラス』としてよみがえる素地は、ここですでにつくられていたといえるでしょう。

チェッカーガラスと呼ばれる輸入型板ガラス。家具などに多用されるほか、シンプルモダンな現代日本の住宅にも合う
 最盛期には百を超える種類を誇った昭和の型板ガラスはしかし、その終わりも早いものでした。
 毎年繰り出される新製品への対応に小売のガラス店は苦しみ、在庫も限界に達したため、一度割れれば同じ模様が手に入らなくなりました。ユーザーの心は離れ、目線はカーテンが遮るようになり、型板ガラス狂騒曲は終焉を迎えます。
 
 国内での生産はシンプルで抽象的な『霞』『梨地(なしじ)』の2種に集約されました。現在出回っているデザイン性の高いものは輸入品で、シンプルモダンが主流の住宅に合わせやすいチェック柄などが人気を博しています。

『マドリノ』の回転窓サンプル。枠の国産杉材は自然塗料で塗装され、人にも環境にも優しい仕上げだ
 時代の申し子のような昭和の型板ガラスがここ数年、食器やアクセサリーにアップサイクル(リサイクルをよりポジティブにとらえようとするスタンス)され、市民権を与えられつつあります。初めて目にする若い世代がそのデザイン性を“レトロで可愛い新鮮なもの”と捉え、生活に取り入れているのです。
 
 並行して、できるだけ形を変えずに本来の窓や建具の姿でよみがえらせようとする動きも出てきました。
 国内屈指のガラス卸会社である(株)マテックスでは、昭和の型板ガラスを独自に『サイクルガラス』と名づけ、廃業するガラス店の在庫を引き取ったり解体現場に足を運んで廃棄寸前の状況からレスキューしたりして収集、再利用する事業を始めました。
 
 つくっているのは室内窓製品。国産杉材を枠に使い、ストックの中から好きな柄の型板ガラスを顧客に選んでもらってはめ込みます。回転や引き違い、嵌め殺しなど開閉タイプはさまざま、サイズは特注にも応える体制を敷きました。『マドリノ』のブランド名で、2022年4月から販売が始まっています。
 
 同社営業推進部の担当者は「二十代から三十代の若い世代が家を建てる際にほしい、とおっしゃることが多いですね。豊富なデザインから選んでオンリーワンの窓が作れ、自分らしさを出せるのが魅力なのでは」と話します。
昭和レトロガラスをファサードデザインに使った美容室。『のみち』や『もみじ』などが温かい雰囲気を醸し出す
製品自体の魅力もさることながら、注目したいのはこの取組が“リサイクルでなくリユース”であることでしょう。
 
 たとえばお皿やイヤリングに“リサイクル”するとき、窓だったガラスは加工されて大きく姿を変え、その工程上でのエネルギー消費は避けられません。
 一方“リユース”は基本的にもとの姿のままで使うため加工時に使うエネルギーが少なく、環境負荷の低減につながります。地球温暖化防止が待ったなしの現在、少しでも消費エネルギーを減らしていくのは必須の課題です。
 
 なにより、リユースの本質である“使えるものを廃棄せず生かす”ことが、ここでは実践されています。
 現代に残る昭和の型板ガラスは、ガラス店の在庫以外はたいてい高経年の住宅の窓に入っており、多くは建物の解体時に廃棄・埋め立てられてきました。ガラスは長い時を経ても質も強度も変わらない“素材の優等生”なのに、再利用する価値がないとされてきたのです。
 マドリノの取組は、まだまだ使える昭和の型板ガラスを、そのデザイン的魅力も含めて未来に生かす新たな仕組みづくりといえるでしょう。
 
 雑貨として生まれ変わった型板ガラスの美しさは印象的です。しかしほとんど加工されず、かつてと同じ枠にはめられて窓や建具になった姿からは、えもいわれぬ温かみが感じられます。
 それは疫禍や戦争、災害の多発と暗いニュースが多い現代にあって「一生懸命働けば誰でも素敵な我が家を建てて心豊かに暮らせる」と信じ、夢に向かってユーザーもメーカーもともに駆け上がっていった、高度成長期という熱い季節の名残なのかもしれません。
 
 つい先日近所にオープンした新しい美容室では、古い型板ガラスを扉や窓に上手に使っていて目を見張りました。まだ若いだろう店主の好みやセンスを感じさせるその光景に「昭和のレトロガラスは、令和に生きる人々が求めてやまない“真の豊かさ”へと向かう、小さな道しるべになってくれるのかもしれない」と思いました。
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