間仕切り(パーテーション)で新しい空間を
玄関ホールを引戸で間仕切るとこんなに素敵になりました。
K様邸は玄関ドアを開けるとそこからリビングダイニングが丸見えになってしまう間取りだったため、「目隠し」をしたいというのがご希望でした。
玄関ホールがあればそこを引戸で間仕切れるのですが、玄関を入るとすぐ居室。
大がかりな工事をせず木製建具のみの施工でどんな方法があるのか悩みました。
そこで、北海道では玄関の外側にもう一つ「風除室」という入り口があることを思い出し、今の玄関ドアを外側の入り口として考えれば増設する引戸をもう一つの「玄関」と考えれば上がり框のスペースが無くても違和感がないとはたと思いついたのです。
最終的には建具屋さんからも構造的に設置可能との判断いただき製作を進めることができました。
また、事前にご友人からいただいた「ステンドグラス」を引戸に使いたいというご希望がお施主様からありました。そのステンドグラスには数種類の透明の輸入硝子が使われていたので、今回製作する引戸にはその中の1種類のガラスを使うことでイメージを統一させました。
さらに入り口なので、下レールではなく「上吊り式」にすることで出入りがスムースになること、3枚建てにすることで開口寸法が広がること、ステンドグラスを戸先側にもっていくことで閉めた際もステンドグラスの障子部分が室内側から見える位置に収まることなど、できる限り使い勝手と見た目を考えた作りに心掛けました。
加えて、ステンドグラスのWサイスが障子のWに比べて小さいために左右に細い框(木の部材)をつくったことで、デザイン的に面白さが生まれました。
オーダーの木製建具をご注文いただく機会は今まで幾度となくありましたが、今回の製作・施工では「機能性」そして「デザイン性」の両方に苦心したものでしたので、私にとっても建具屋さんにとっても思い出に残る「作品」になりました。